小学校では、文科省のGIGAスクール構想の推進によってタブレットなどのICT機器の導入が進んでいます。
小学校のタブレット導入状況はどのくらいになっているのでしょうか。
対応を急がなければならない、あるいは対応したけれどトラブルが起きて苦労していることもあるでしょう。
この記事では小学校でのタブレット導入の状況と、GIGAスクール構想への対応のときの注意点と対策を紹介します。
目次
文科省のGIGAスクール構想とは
文科省ではGIGAスクール構想の実現を目指し、実現推進本部を設置して施策を進めています。
Society 5.0時代に生きる子供たちに、個別化した創造性を育むICT環境を整えることがGIGAスクール構想の目指す大枠です。
具体的には、1人1台のPC端末を用意することを令和時代の「スタンダード」とし、統合型システムを導入して子供が学びやすく、教員が教えやすく、さらに働き方改革によって働きやすい環境にすることなどが挙げられています。
参考:文部科学大臣からのメッセージ(GIGAスクール構想の実現について)
参考:資料1-4 教育の情報化~GIGAスクール構想の実現~
小学校のICT活用による学習の状況
文科省では、小学校でパソコンやタブレットなどの端末を導入して学習を進めることを推進しています。
その状況について「全国学力・学習状況調査」でまとめて結果を公表しています。
令和4年度の調査結果に基づいて、小学校での導入状況を見ていきましょう。
授業におけるパソコン・タブレットの導入状況
文科省による調査では、5年生までに受けた授業でのパソコンやタブレットなどのICT機器の使用について統計を取っています。
「ほぼ毎日」という回答は令和3年度では11.4%だったのに対して、令和4年度では26.9%に飛躍的に向上しました。
「週1回以上」の割合は29.0%から56.4%に増加し、「月一回以上」、「月一回未満」の割合は減少しています。
このことからも、小学校において積極的にパソコンやタブレットを使用する授業環境が整ってきていることわかります。
授業中に自分で調べる場面でのパソコン・タブレットの利用状況
同調査では、令和4年度における授業中に自分で調べるときにICT機器を使用している頻度を調査しています。
「ほぼ毎日」が14.5%、「週3回以上」が29.6%、「週1回以上」が32.1%、「月1回以上」が16.4%、「月一回未満」が7.3%でした。
小学校でパソコンやタブレットを、調査ツールとして導入する傾向も強まっていることがわかります。
義務教育における1人1台端末の整備状況
令和3年の「端末利活用状況等の実態調査」によると、令和3年度の終了時点では義務教育課程において全国の1,812自治体等のうち、1,785件で1人1台端末の環境を整備することができています。
大部分の自治体では、小学校の低学年などで整備が間に合っていない部分がありますが、比較的広くICT機器の導入が進んでいるのが現状です。
参考:端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)(確定値)
1人1台端末を家庭で利用できるようにする状況
タブレットなどのモバイル端末を、自宅に持ち帰らせて家庭で利用できるようにしている学校は多いとは言えません。
モバイル端末を持ち帰って毎日、または時々利用している割合は全国平均で23.4%になっています。
東京都では70%以上、岐阜県と奈良県では60%以上に到達していますが、秋田県や香川県では0%となっており、地域差が大きいのが現状です。
小学校のタブレット導入の状況
文科省のGIGAスクール構想を受けて、小学校ではタブレットを基本的な端末として導入することが多くなっています。
令和3年の「端末利活用状況等の実態調査」によると端末の利活用開始状況として全学年で開始されているのは84.8%、一部学年で開始されているのは11.4%でした。
タブレットではない小学校も含まれている可能性がありますが、大半の小学校でタブレットが導入されていることがわかります。
参考:端末利活用状況等の実態調査(令和3年7月末時点)(確定値)
小学校でタブレットを導入するときの注意点
GIGAスクール構想に伴って小学校でタブレットを導入したものの、トラブルが起きて苦労していることもあるので注意しましょう。
小学生に渡したタブレットなどのICT機器が壊れたり、自宅に持ち帰らせたときに失くしたりしてしまう事例があります。
令和3年4月~7月の4ヶ月間で19,228台(0.2%)も破損・紛失が起きています。
このようなトラブル時に速やかに対応して、破損・紛失があった子供に代替機を渡せる環境を整えることが重要です。
まとめ
小学校では文科省のGIGAスクール構想の推進を受けて、子供が一人一台のタブレットを持てる環境の導入が進みました。
全国的に導入率が高くなりましたが、今後の運用については検討が必要です。
端末の破損や紛失への迅速な対応は、全員に平等な教育をする上で重要になります。
タブレットのレンタルは、故障時にもすぐにインストール作業などを済ませた代替機を手配できるので導入の検討してみましょう。
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