近年、働き方改革の導入や流行の感染症などにより、会社以外で仕事をするリモートワーク・テレワークが増えていく中で、離れた場所同士でインターネットと通じて会議を行うWeb会議などが馴染み深くなってきました。
実際に、Web会議を一度はやった事のある方も多いのではないでしょか?そんなWeb会議中にセッティングしているマイクをONにすると「ピー」「キーン」「ボーン」という不快な音がスピーカーやイヤホンから響いたり発言者の音声が、やまびこのように声が返ってきて、相手の音声が聞き取りにような現象に陥った経験はないでしょうか?
このようなの現象を「ハウリング」と言います。
目次
ハウリングの語源
動物(主に犬類)が吠える・遠吠えの意味合いのある英語の「howling(ハウリング)」から来ています。日本語では鳴音(めいおん)と言います。よく耳にする使い方は「ハウる」、「音が回る」という表現をされることもあります。
どうしてハウリングが起こるの?
「ハウリング」が発生する原理は、スピーカーから出た音をマイクが拾い、それをまたスピーカーが再生するということを繰り返し、大きな騒音が連続して発生する現象。です。
カラオケなどに行って歌う準備をしていざマイクをONした途端にピー!とかキーン!やボー!などの大きな音が、スピーカから突然出てきたことありませんか?その状態こそが
ハウリングなのです。
ハウリングの原因
カラオケから話を戻して、リモートワークなどWeb会議で起こりうるハウリングの原因を見ていきましょう。
他の参加者が近くにいる/複数台同時に接続している。
会議室やミーティングルームなど、ひとつの空間で複数の人が使用する場合、それぞれのデバイスのスピーカーから発せられる音をマイクが拾ってしまうからです。
Zoomなどを使用している時にハウリングが起こる場合、参加メンバーが順番にマイクをミュートするなどして、ハウリングを起こしているデバイスを調べましょう。その後、間隔をあけて座るなどの対策が必要です。
Web会議ではパソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンといったデバイスも用いて参加した場合、近い距離で2台以上のデバイスを接続すると、どちらかのマイクがスピーカーから出る音を拾ってしまう可能性があります。原因はマイクの入力レベルやスピーカーの出力レベル(音量)が大きすぎると起こります。
そのため、なるべく1台のデバイスで参加することがベストです。どうしても複数のデバイスで参加しなければならない場合は、いずれかのマイクをミュートにすると原因がつかめますよ!
マイクとスピーカーを別に設置している
マイクとスピーカーを別に設置している場合、スピーカーから流れてくる音をマイクが拾うことでハウリングが起きる可能性が高くなります。
スピーカーの設置場所を変更する、ヘッドセットを使用するなど、スピーカーからの音声をマイクが拾わないようにする対策をとることが必要です。さらにスピーカーの音量を下げる、ミュートにするなどの調整をしましょう。
ハウリングへの解決手段
ハウリングが発生している状況から原因を切り分けるのは、難しいケースもありますが、下記のことに気を付ければ発生する可能性を減らすことができます。
①マイクスピーカー(一体型)を使用する
一つの会場から複数人がWEB会議に入る必要があるケースもあるかと思います。その場合は人数分イヤホンマイクを接続するのではなく、マイクスピーカーというマイクとスピーカーが一体になった機器を使うと、参加人数分のパソコンを並べなくても、パソコン1台でマイク、スピーカーを共有すれば、ハウリングする可能性最小限に抑えることができるからです。
YAMAHAユニファイドコミュニケーションスピーカーフォンYVC-300
会議室のような場所でも半径2m程度の距離の音声を拾ってくれるので、複数人が参加するような場所ではおすすめです。
②マイクの集音レベル(ゲイン)を調整する/指向性のあるマイクを使用する
上記のようなマイクスピーカーは便利ですが、マイクとスピーカーを別々に用意しなければならないケースもあるかと思います。その場合に気をつけることとして、ここからは少しマニアックなお話になります。マイクから音を集音する過程において、ゲインとボリュームにて調整をします。
ゲインは取り込む音の量・ボリュームは吐き出す音の量 といったイメージで説明します。ゲインが正常な設定のとき、マイクが拾う音は話す人の音声のみとなります。
しかし、ゲインが高すぎると、ノイズなど必要のない周辺の音声まで拾ってしまうケースがあります。会場のスピーカーからの音声をまたマイクが拾ってしまい、それがハウリングの原因となることがあります。
マイクのゲインレベルには注意が必要になります。また、マイクの特性として「指向性」というものがあります。指向性とは、マイクが集音する範囲を限定している、という性能になります。集音したい対象物やその周りの空間など集音したい音に配慮したマイクが必要な時に指向性のあるマイクを使用したりします。
カラオケなどでよくみかける頭が丸い網状になっているマイクは全指向性(無指向性)が多く、360度全方向から均等に音を集音する指向性を持っています。楽器やヘッドセット、アナウンスなど、マイクの正面の音を重点的に集音しやすくなっているマイクは、単一指向性のものが一般的です。ハウリングの起こりやすいのは全指向(無指向)性のマイクです。
マイクの向きがスピーカーの正面に位置しているときなど、ハウリングが発生しやすい状況となります。ですのでマイクとスピーカーの位置関係についても、調整が必要になります。
では、豆知識としてもうひとつ、
マイクの正面ってどこ?って思たことありませんか?無指向性のマイクは均等に集音するので正面はわからなくても音が拾えますが、指向性があるマイクでは重要です。見分け方は、指向性を表示している面がいわゆる「正面」です。
(単一指向性マイク)
③フィードバックサプレッサー(エフェクター)を使用する
専門的な話になりますが、エフェクターという機械を通せば簡単にハウリングを解消させることができます。音のプロフェッショナルな現場では、ハウリングが発生している周波数帯をイコライザーを使い、その部分だけカットしてハウリングを防いでいます。
そういった機能を自動的にもっと簡単に使える機器の一つにフィードバックサプレッサーといわれるものがあります。この機器を音声ミキサーに加えて音声を出力すれば、安心してハウリングを防ぐ事が出来るというわけですね。
dbx ( ディービーエックス ) / AFS2 フィードバック(ハウリング)サプレッサー
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